クラウトロックとそれにまつわる音楽のブログ

クラウトロック/ジャーマンプログレの紹介がメインです。

【LISTENING・EXPERIMETNAL】Organisation/Tone Float

何故かわかりませんが帰宅してから熱心にチーズケーキを作っています。

チーズケーキって簡単で美味しいから普段からよく作るんですけどもっと美味しく作れる方法ないかなぁと思って、

プロが作る「ベイクドチーズケーキ」には意外な裏ワザがあった!レシピ本には載っていないテクニックが凄い - dressing(ドレッシング)

というページを見ながら作ってるんですけど、

●先生「難しいコツはいりませんよ。舌触りの良いなめらか食感に仕上げるポイントは、"材料を入れる順番"にあるんです」

というところで一番最初に入れる材料を間違えました。

 

Tone Float

そもそもなんでチーズケーキを作ろうと思ったのか、未だにわかっていませんが多分なんか甘いものが食べたかったんだと思います。期末ということで仕事も立て込み若干疲弊気味(の割にはブログは書ける)(いやだからこそ書ける)、そういう時こそ料理なんですけれども、そういう時はガンガンノリノリで作りたくない。しかも平日の深夜。

何か優美なものが聴きたいと思っていた時、真っ先に浮かんだのがこのジャケット。

 

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美しい!!!

美!!

なんだこの盤かベタやな、と思った人は今すぐ友達になってください・・

 

色鉛筆のようなもので色塗られた髪の毛と髭の長い男性の横顔。初めてこのジャケットを見た時はライオンの擬人化だと思ったんですね。百獣の王感がすごい。あのライオンの擬人化のジャケットのレコードってなんやっけ?と言っても誰もわかってくれませんでしたねぇ。

ライオンじゃなければ人の中でも権力持ってるのにめちゃくちゃ器が広いタイプの人間。例えると普段は平和をこよなく愛するが自国の民が傷つけられたら容赦ない王様とかですかねぇ、とにかく圧倒的に優しい人。

 

 

 

これは、Organisation(オルガニザツィオーン、単にオーガナイゼイションとも)というバンドが1970年にリリースしたTone Floatというアルバムです。

とりあえずブログ読みながら聴いて欲しいので再生ボタンを押してください。表題曲「Tone float」はA面丸々一枚を使用した、20分越えの大作です。

 

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  1. Tone Float (20:46)

  2. Milk Rock (05:24)

  3. Silver Forest (03:19)

  4. Rhythm Salad (04:04)

  5. Noitasinagro (07:46)

  6. Vor Dem Blauen Bock (11:16) (1994年以降の再発盤のみ収録)

 

 

 

Discogsみて驚きました、オリジナル高い高いとは聴いておりましたけれども最高金額8万円とは!

今も高そう。流動的だと思うけど前3万円くらいで見た気がする。

 

 

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しかもオリジナルUK盤(ドイツで扱ってもらえなかったからイギリスから出した)のプレス枚数が非常に少なく再発もされていないと思うので、今出回っている裏面が白黒のものはリプロと思われます。でもブートでも5000円くらいするんだよなぁ、高いわぁ・・・

 

※12インチは再発されています。

 

 

このTone Floatという曲は、「スピリチュアルジャズファンも腰を抜かす密林ジャズ」とありますが↑、かなり攻めている実験音楽になっています。(確かにドン・チェリーっぽさあり)

基本は生音の要素が多く、特に「Tone Float」という曲では観光予定を詰めすぎた海外旅行みたいな感じで色々なところに行ったり来たりできる、覚醒酩酊20分間を体験することができます。

ジャケットと呼応するかのように縦横無尽に動く美しいエレクトロフルートからは非常にワールドなエッセンスを感じ取ることができます。(そしてまたなんとなく中東系の匂い)

 

一体こんなカッコいい生音バンド、誰がやってたんだろうと思いますよね、

それが、

実は、

Kraftwerkのメンバーなんです。

 

 

OrganisationはKraftwerkの前身バンドとして有名なバンドです。Kraftwerkのレコードって入手困難レコードいくつかあってファンは非常に頭を悩ませたりするんですけれどもその中の1枚に入るんじゃないでしょうか。

 

 

Organisation

 

Kraftwerkについて、名前しか知らないという方もいらっしゃると思うので、2011年のライブ動画を貼ります。

下記の動画を見ていただければ、なぜ ↑ で「実は〜これ〜Kraftwerkで〜..」みたいなもったいぶった書き方をしたのかお分りいただけるだろうかと存じます。

まだバリバリの現役で世界を飛び回っています。

 

youtu.be

 

お分りいただけたでしょうか?Kraftwerkってめちゃめちゃ電子音楽なんですよ。めちゃめちゃピコピコするおじさんの集まり。

この体制でのライブや、彼らの音楽に影響を受けている日本人アーティストさんもたくさんいらっしゃいますよね。

しかし、1975年に作られた曲を2011年にやっていてこんだけカッコいいってどないなっとんのやと。

 

まぁそれはいいとして、こんな世界を代表するテクノユニット/電子音楽グループの前身バンドがOrganisationだったというところがすごく良いんです、すごくよい。

もともと音楽院で出会ったラルフとフローリアンはクラシックを専攻していたそうです。

そこで実験的な音楽を作ろうと意気投合して作り上げたのがこのテクノ感ゼロのロックスピリット溢れるアルバム。

驚きますよね

 

 

このバンド、実は正式名称は長いみたいです。

 

ドイツ語:Organisation zur Verwirklichung gemeinsamer Musikkonzepte

英語:Organisation for the Realization of Common Music Concepts

日本語:共通の音楽概念を具現化するための組織

 

なんですって。

クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット(バンコク)みたい。

 

 いい名前ですね、日本語和訳。ただ、こんな複雑で難しすぎるアウトプットで具現化されても素人の私なんかは一生共通の音楽概念は見出せないなって思いますけれども。無邪気やな。

 

メンバーはというと、当時まだ音楽院生でありのちにKraftwerkという電子音楽グループで世界中に名を轟かすことになる若きラルフ・ヒュッターくんとフローリアン・シュナイダーくん(2008年にKraftwerk脱退)を中心として集められた5人組だったようです。

 

  • ラルフ・ヒュッター (Ralf Hütter) - オルガン
  • フローリアン・シュナイダー・エスレーベン (Florian Schneider-Esleben) - 電気フルート、バイオリンなど
  • バージル・ハムモウディ (Basil Hammoudi) - パーカッション
  • ブッチュ・ハウフ (Butch Hauf) - ベース、サウンドチューブなど
  • フレート・メーニクス (Alfred "Fred" Mönicks) - ドラム、パーカッション

 

特筆すべきは後にIblissという、とんでもクラウトジャズロックバンドを結成するバージル・ハムモウディが参加しているところでしょうか。Iblissのレコードも高いんだよなぁ...

 

 

Kraftwerkといえば、コーン(工事の時とかに置いてあるアレ)がアイコンなんですけど、Organisationの段階から裏ジャケにちゃんと載ってました。

 

 

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  ↑ここだよ!

 

 

ちなみに、この段階からクラウトロック界のラスボスプロデューサー、Cony Plank(コニー・プランク)が参加してます。むしろ、コニー・プランクのスタジオで録音されてます。スタジオって言っても廃業した精錬所跡地に作られた仮設スタジオだったみたいだけど。

 

 

 

ということで、精神統一のために料理を作りたいときには是非Tone Floatを聴いてください。

チーズケーキが焼けるか、ブログが完成するかどっちが早いかな〜と思ってましたけど、

圧倒的にチーズケーキの方が早かったです。