クラウトロックとそれにまつわる音楽のブログ

クラウトロック/ジャーマンプログレの紹介がメインです。

【DUB・AMBIENT】 Brian Eno & Jah Wobble /Spinner

Jah Wobble 来日!

70年代から活躍するJah Wobbleの来日が2019年の7月に決まったというニュースがありました。

 

amass.jp

 

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殺し屋っぽい。

 

 

Jah WobbleはPublic Image Ltdの元ベーシストとしてとても有名。

Sex PistolsのボーカリストだったJohnny Rottenが(法的な理由で)John Lydonに改名し、

レゲエ好きだった友人のJah Wobbleと元The ClashのKeith Leveneと始めたバンドがPiL。

すごい時代だな

パンクとダブの融合体。架け橋。この人がいてダブの世界が広がった人も多いのではないでしょうか。

この曲聴いてもベースラインしか頭に入ってこない、頑ななベースライン。全くブレないベースライン。

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PiLは今年結成40周年で来日もしていましたが、(現ベーシストは2009年から参加しているScott Firth)

Jah Wobbleの来日はいつぶりなんですか?

2012年にKeith Leveneと2人で「METAL BOX IN DUB」と題した日本ツアーをやる予定だったのに、

(METAL BOXは79年にPiLが出したアルバム。このジャケ)

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成田まで来たKeith Leveneが観光ビザだったため入国できずにライブ自体流れることに。

 

(この2人の作品もめちゃくちゃ良くて私が欲しい紙ヤスリが前面にあしらわれているかつ700枚日本限定シリアルナンバー入りEPも出したりしてました。

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この紙ヤスリで何を擦れと・・・内容は完全にダブ!トリップホップ臭。)

 

なので、来年の7月にはぜひ見に行きたいと思っている次第でございます。

場所は新宿MARZ。小箱!

 

 

80年代のJah Wobble

この方、以前Fred Perryのインタビューで「肩書きは?」という質問に対して

”前は男爵だったんだけどうまくいかなくてね。今は雇われベーシストさ”

みたいな粋な回答をしていらっしゃいました。

 

PiLの活躍で世界的にも有名であり、

日本のメジャーで活躍しているベーシストたちからの支持もとっても厚いJahさんですが

80年代は大変ジャーマンロックに貢献していらっしゃいます。

 

クラウトロック好きならきっと聴いたことがあるこの曲。

CANのメンバーであるホルガー・シューカイと、ヤキ・リーベツアィトとの共作です。

MV、サイケにもほどがある。冒頭から最後までサイケ。初志貫徹。82年。

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あと、これも。83年。

 

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この曲はあれだな、今Jahさんはご自身が率いてらっしゃるバンドを

Jah Wobble's Invaders Of The Heartって名前にしてらっしゃるんですけれどもそれの元ネタなのかなと思います。

この曲が収録されているアルバムのタイトルは「Jah Wobble's Bedroom Album」。

ベッドルームのアルバムと言うだけあって聴いててとても気持ち良い。

裏ジャケにはこんなことも書かれている。

 

 

A record perfect night-time playing. As you fall to sleep the Journey will be continued.

You will find yourself in places as far part as Brazil or Cairo because these places are in all our souls if we search for them.

I reccomend this record to keep you in a good health;play it to antidote the western cancer music.

I hope Jah Wobble continues in this vein for many years to come.

-Juan Fernandez jr.

 

 

western cancer musicとは!

元々、PiLもビートルズR&Rヘのアンチテーゼみたいな感じで始めたバンドなので

ジャーマンロックの精神が見て取れるようなコメントでそういうのも含めて好き。

この曲めっちゃ唐突に終わるけど。

 

 

あとこれ。83年。

なんというか、ダブなんだけどロックだしトライバルだしちゃんとダンスミュージックになっている。

これもホルガー・シューカイが関わっているのでそういった人たちの影響もあると思うんですけど、

この3枚は本当に素晴らしい。

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90年代Brian Enoとコラボ

そしてついに95年、

Brian Enoとのコラボ作!

 

Eno / Wobble - Spinner

 

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Enoはほんと色んな人たちとコラボしてますね。

 

このSpinnerは元々はDerek Jarmanさんという52歳で亡くなられた映画監督の伝記映画のサントラとして

Enoが作っていたものだそうです。

でもリリースされることはなく、EnoがJahに託したところJahがほとんど作って完成させたそうです。

Enoも、

 

僕は完成まで一度も途中経過を聞いていないしほとんどJahが作った。後ろの方でぼんやり聞こえる音があればそれは僕が作ったものだ

 

と言っているくらい。

しかしそうは言ってもBrian Enoだし、

JahもEnoの音をめちゃ立てている感じがとてもありめっちゃ存在感あるんです、

ものすごい良い塩梅で。

アンビエントとダブとクラウトロックの融合!

 

 

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  1. "Where We Lived" – 2:59
  2. "Like Organza" – 2:44
  3. "Steam" – 3:16
  4. "Garden Recalled" – 3:21
  5. "Marine Radio" – 5:04
  6. "Unusual Balance" – 5:23
  7. "Space Diary 1" – 1:51
  8. "Spinner" – 2:54
  9. "Transmitter and Trumpet" – 8:41
  10. "Left Where It Fell" – 7:02
  11. (Hidden track (later released upon The Drop as "Iced World") – 8:42

 

 

やっぱ反復ビートとハモンドオルガンorモジュラーシンセ的サウンドを聞くとクラウトを感じてしまう・・

+ダブベースとワールドエッセンスもあるなんて贅沢!

 

貼ってある6曲目の「Unusual Balance」のボーカリストはイラン人のSussan Deyhimさんという方、

8曲目と9曲目のドラムはJaki Liebezeitさんです。

 

やっぱJahとJakiはめちゃ相性良いな〜これ8曲目↓

 

youtu.be

 

 

 

 

Jah Wobbleは自分でも歌うし本当、良曲大量生産するんですね〜

雅楽とコラボしたダブも作ってますし、タイのモーラムや中国の音楽とコラボしたダブも作ってます。

このライブ映像はかなり楽しいです。

Jah Wobble and the Nippon Dub Ensenble!

手前のお琴に目がいきがちですが、向こうの方から擦り寄ってくるベースを抱えた殺し屋のようなジャー・ウォーブル。

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最後にライオンキングのサントラとしてもおかしくない曲貼っておきます

来年公開される実写化のサントラに入ればいいのに!

Tyger Tyger〜♩

 

youtu.be