2019年になって初めてのブログです。
最近は花粉が暴れまくっていて薬を飲んでも頭がぼーっとするため仕事にならない日々が続いていますがこんな時こそ真面目にニューエイジの話でもしようかなっと。
先日、貴重な日本の現役クラウトロックバンド南ドイツの方とお話しする機会がありまして
(演奏服装雰囲気かっこよ過ぎ)
シフォンケーキ食べながら近年稀に見ぬ強めな気持ちでニューエイジについて話しました。
誰も普段からニューエイジの話なんてしないと思うのでこの気持ちを忘れないうちに文章に収めつつついでに良質ジャーマンニューエイジを紹介しようという。
ニューエイジとは
「ニューエイジ」で検索して出てくるページはだいたい偏ってます。
ニュートラルであろう出典wikipediaのお言葉を借りながら説明すると、
60年代に現れたカウンターカルチャーを起源とする思想運動のことで、
既存の文明や化学、政治体制に批判を加えて新しい思想を追求しようみたいなことです。
まぁこの辺まではパンクとかロックとかと通ずるところもあるんですけれども、
やっぱりニューエイジってなんか聞き慣れないというか
なんで検索して偏ったページばっかりヒットすんのかというと、
超自然的・精神的・霊的なもので真に自由で人間的な生き方模索しよ!的な運動だからなんですね。
日本ではニューエイジよりスピリチュアルっていう言葉の方が親しみありますかね。
キーワードでいうと
瞑想
ヨガ
転生思想
カルマ
エネルギー
聖地
ピラミッド
宇宙存在
精神世界
生命
霊
チャクラ
異次元
交流
など。
どうですか?
前述したように起源はカウンターカルチャーということでヒッピー文化がコミットしていて
「キリスト教」とも「近代合理主義」とも違う新しい文化原理を探求していたようです。
ニューエイジという言葉はもともと薔薇十字団とフリーメイソンによって使われていた言葉らしいですが、
西洋占星術において60年代後半(20世紀後半)が魚座から水瓶座に切り替わるタイミングだったそうなんですね。
で、キリスト教にはイエスを魚で表したりするそうなんですけれども、
そのことからも魚座の時代(既存の西洋文明・キリスト教の支配)が終息し、
自由で解放された「新時代=水瓶座の時代=ニューエイジ」の幕開け!ってなったらしいです。
ちなみに私水瓶座でしてニューエイジミュージック愛聴家としてはこの事実テンション上がりました。
ニューエイジミュージック
ニューエイジ運動のことはわかったけど、
じゃぁニューエイジと音楽ってなんの関係があるの?って感じですが
ニューエイジ運動の中で自然回帰を願った人々に聴かせていた、
人をポジティブにしたりリラックスさせたりするような音楽がニューエイジミュージックだったそうなんです。
例えばアンビエント、環境音楽、エレクトロニカ、ワールドミュージック、ミニマルミュージック、自然の音とか。テーマにされるものは自然、環境、宇宙、生命、精神など。
タイマッサージ屋さんとかで流れてるような音楽とかも仲間に入りますかね。(こないだLaraajiをそう表現している人がいた)
そこから来ているのでだいたい上述したジャンルやテーマを元に構成されている音楽は現代でもニューエイジミュージックと呼ばれています。
リラックス効果のあるイージーリスニング的なものもあったりしますが、
なんというか音楽の根元が基本的にスピってるんでなんかオカルト的というか
新興宗教的扱いされがちな感じですね、
実際に新興宗教の教祖とかがニューエイジミュージックを集会でかけがちらしいですし。
このジャンルは愛好家もかなり多くて、良い音楽とても多いんですけどね。
Deuter
それではここから一気にジャーマンに寄せた話を展開します。
ジャーマンロックでニューエイジに属するものも非常に多いんですが(このブログでもいくつか紹介しています。)
今日紹介するのは眠くならずにずっと聴いていられる作業効率上がる系のジャーマンニューエイジです。
バンド南ドイツの人の話に戻りますが
議題に上がったのが「なぜずっと聴いていられるニューエイジとそうでないものがあるのか」
ということ。
正直この手の音楽って一聴したら作るの難しくなさそうだし、実際に他のジャンルに比べて比較的簡単に作ることができる。
でも、なぜか知らないけれどずっと聴いてられるものと即飽きるものに分けられてしまうんですね。
もちろん個人の趣味嗜好もあるかと思いますが、結論としては作者の人間性やルーツのエグみが滲み出ているか出ていないのかという所に落ち着きました。
それでいうと今日紹介する盤はめっちゃ滲み出ている。垂れ流し。
1945年生まれ現在72歳ご存命のDeuterさんの71年デビュー作「D」、
ジャーマンニューエイジクラシックです。
再生して最初に出てくる誰かが挿入したコメントもかなりインナーワールドな感じなんですけれども
タイトルがKrishna eating fish and chips。
クリシュナっていうのはヒンドゥー教の神様のことでこれを崇めた宗教があるんですね、
戒律が厳しいことで有名で、もちろん菜食主義。
ベジタリアンなのにfish and chipsのようなジャンクフードを食べるなんて戒律破りまくってる。
後述しますがドイターさんはヒンドゥー教僧侶で、
クリシュナはヒンドゥー教の中でもちょっと異端だったのでクリシュナに対する憤りを感じられていたのか、
それとも宗教関係なくただクリシュナ神へのイタズラなのか。
喧嘩ふっかけてるような感じに聞こえますね。
彼は第二次大戦直後に東ドイツのファルケンハーゲンという街に生まれました。
この曲とか超東ドイツっぽい
20代の頃にかなり激しめの交通事故にあって生死の淵から帰ってきた時に、
音楽で生きていこうと決意したそうです。
その後、世界を旅行するのですが特にアジア諸国を多く巡り
インドの中西部にあるプネーという街に長期滞在しそこでヒンドゥー教の修行僧になったそうです。
すげぇなと思ったのがその修行する場所であるアシュラムに
MTRを持ち込んで修行の傍らで音楽を作っていたそうです。
アシュラムってMTR持ち込んでいいの?
音楽的にも超自然的なフィルードレコーディング系の風、波の音、鳥の声、インドの楽器の音などが多く入っていて
ウェスタンミュージックとイースタンミュージックを繋いでいるような雰囲気。
聴いててなるほど非常に心地が良い、
しかも眠くなるというよりは交感神経が高まるというかどんどんハイになっていく感じ。
やっぱりご本人が周りの環境含めてリアルに精魂込めて作っていらしたんだなと分かる飽きの来なさ。
何度もリピートしてしまう。
で、この方超多作ですでにリリースが60作を超えているくらいの方なのですが
90年代に差し掛かり20枚もアルバムをリリースし続けていたサンタフェのKuckuckレコードからまさかのヒンドゥー教僧侶が運営するレーベルに移籍します。
その名も「New Earth Records」
どこまでもニューエイジ。
そしてここからはどんどんヒーリングミュージック系に寄せて行かれまして今ではレイキ(アロマセラピー・リフレクソロジー系の民間療法で気功とは違って、手に宇宙エネルギーや自然エネルギーを溜めて施術を行うもの。海外でめっちゃ有名)ではDeuterは定番音楽だそう。
この辺の作品とか最近のやつですが海外の方やレイキの方には大変人気だそうでアマゾンレビューも高い。
最近の作品はなんか妙に音が綺麗すぎる気がして自分はあまり聴けず…個人的にはKuckuckから出している頃の完全にイキきっていないカウンター精神が見え隠れするくらいの音楽が一番好きだなと思ったりします。
(↑72年の2枚目。本当はタイトル作品として紹介したかったけどやっぱり載せちゃいけないかなと思って書かなかったやつ。)
そんなDeuterさんのお顔
ニューエイジど真ん中。
若かりし頃。
まぁこっちもやばいけどまだサイケ感があっていいな。
ど真ん中の写真とかポピーのフォーカス具合とかも結構やばいもんな。
その後も音楽を探求し続けて現在では
ギター、フルート、ハーモニカ、キーボード、シタール(インド)、ブズーキ(インド)、サントゥール(インド)、尺八、琴、ドラムなど演奏されるそうです。
日本にも絶対何度も来てると思うな。