クラウトロックとそれにまつわる音楽のブログ

クラウトロック/ジャーマンプログレの紹介がメインです。

【PSYCHEDELIC・SPACE ROCK】BRAINTICKET/Celestial Ocean(Cottonwood Hill&Psychonaut)

出会い

もう何年か前だったか忘れましたが、

三茶のバミューダトライアングルの近くのDJ BARだったか、(いや渋谷のオルガンバーだったかもしれない)でDJをやった翌朝、先輩が「Brainticketの顔がバーーーンってなってるやつ忘れたので誰か持ってませんか」って言ってたのが、BRAINTCIKETとの初めての出会いだったような気がしています。

 

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インパクトあるので速攻見つかってました。

多分、CANのTAGOMAGOの後くらいに知って、「また脳味噌見えてるやん・・」って思った記憶があります。

今思えばサイケが好きになったのはBRAINTICKETからなような気がしていますので自分の中ではとても重要なバンドだったりします。

 

Cottonwood Hil

これはBRAINTICKETが1971年に出した1st album「Cottonwood HIll」

youtu.be

 

1. Black Sand (00:00) (Ron Bryer/Joel Vandroogenbroeck)

2. Places Of Light (04:05) (Ron Bryer / Dawn Muir/Joel Vandroogenbroeck)

3. Brainticket Part I (08:11) (Ron Bryer / Kolbe/ Dawn Muir/Joel Vandroogenbroeck)

4. Brainticket Part I [Conclusion] (16:32) (Ron Bryer / Kolbe/ Dawn Muir/Joel Vandroogenbroeck)

5. Brainticket Part II (21:08)- (Ron Bryer / Kolbe/ Dawn Muir/Joel Vandroogenbroeck)

 

 

ジャケットからもお分かりいただけると思いますが、この作品本当普通じゃない。アルバムのライナーノーツに書いてある言葉がもう普通じゃない。

 

『After Listening to this Record, your friends may not know you anymore" and "Only listen to this once a day. Your brain might be destroyed!"

-このレコードを聴いたあと、友達は君のことがもうわからなくなるかもしれない。それからⅠ日にⅠ回までしか聴いちゃいけないよ、そうじゃないと君の脳味噌は破壊されるよ!!!』

 

レコード聴いただけで友達全員に拒絶されて脳味噌破壊されるとか怖すぎ。

注釈で、これに対してレコード会社一切の責任を負いません、とも書いてある。

 

まぁ実際に何回も聴いていますが友達いるので大丈夫だと思ってるんですけれども、でもやっぱり、聴き続けるとだんだん景色が歪んでくんな〜って思ったリアル衝撃作はバンドのタイトルにもなっている超大作「Brainticket」という曲。

これ、Part ⅠとPart Ⅰ(Conclusion)とPart Ⅱって分かれていて、多分LPのフォーマットの関係で分けていると思うんですけど、(Conclusion)ってパートの分け方が斬新・・

 

この曲は1曲だけで計27分あるんですけれども、鬼の漢気ワンパターンリフレインと8ビートが永遠に繰り返され、そこにいろんな音が飛び入り参加してくるサウンドコラージュになっているゲシュタルト崩壊寸前作品です。

 

冒頭からガシャーンバリーン!みたいな何かが割れる音から始まるんですけど、コラージュネタは、パトカーの音とか、誰かが歯磨きしてるシャカシャカペーみたいな音とか、大きな機械が動いている音とか、都会の雑踏とか、突然のヴェートーヴェン「運命」の冒頭とか、女性の喘ぎ声とか本当に様々入ってます。当時は、女性の喘ぎ声入ってるレコードなんか初めて聴いたわ!って驚愕しました。

Part Ⅱの最後の方になると女性ももうめちゃくちゃヒートアップしちゃって「It's allright....It's allright...Noooo!!.It's not allright!!!」となって来るんですけれども、辛抱して聴き続けると「A・R・T・H・U・R!!! YOU ARE!!Tell me what you want!!」みたいな突然のアーサー王と、あんたは何が欲しいんやと叫び出すドラッギーな展開を迎え、「Allright...泣 Allright..泣」って泣き出した挙句、突然車に轢かれて爆発音と宇宙から何か来たエイリアンっぽい音が流れて来て曲がブツッて終わるみたいな。「Allright...泣 ドーーン!!Allright..泣 バーン!!ガシャーン!!!ピリピリピリ」みたいな。疲れる。是非聴いてください。

  

ちなみにアルバムのタイトル「Cottonwood Hill」って直訳すると「ポプラ(ハコヤナギ)の丘」らしい。えらい可愛い名前やな、植物が出てくるとどうしても疑ってまうなぁと思って、他に意味ないのかなって「Cottonwood slung」って検索したら「ハコヤナギスラング」ってそのままGoogleに翻訳されました。特に意味ないのかな。

 

 

Psychonaut

もうCottonwood Hillだけでお腹いっぱいだよ!って思っていらっしゃるかと思いますが、2枚目も紹介します。なんなら、タイトルになっている「Celestial Ocean」というアルバムなんか3枚目です。

(やっぱり長くなるので2つの記事に分けることに後で決めました。)

 

でも安心してください。2枚目はⅠ枚目のサイケを地で這っていくようなアルバムとはまるで違います。耳を疑うくらいものすごくキラキラして恐ろしく聴きやすくなっています。相変わらず脳味噌は出てるけど。

 

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  1. "Radagacuca" (Joel Vandroogenbroeck, Montedoro) – 7:21
  2. "One Morning" (Joel Vandroogenbroeck) – 3:52
  3. "(There's a Shadow) Watchin' You" (Joel Vandroogenbroeck) – 4:33
  4. "Like a Place in the Sun" (Joel Vandroogenbroeck) – 6:26
  5. "Feel the Wind Blow" (Joel Vandroogenbroeck) – 3:30
  6. "Coc'o Mary" (Joel Vandroogenbroeck) – 6:06

 

それでは、1曲目「Radagacuca」から再生してください。

 

 

最高〜!これはもう本当に最高です。相変わらず怪作なんですけど、前半の優雅に舞う美女のようなフルートの音色、そこに切り込んで来る土着パーカッション、後ろでなり続けるオルガン界の王者ハモンドオルガン(やはりハモンドは神秘的な雰囲気を盛大に演出する楽器)、からの都会から何万キロも離れたインド秘境の地で自然のリバーブで鳴り響くかの如く弦を震わすシタールの音色に、優しく重なるフォーキーな心地よいボーカル。

どこまで夢見ていられるかな〜と思ったら突然狂ったように暴れだすオルガン・ギター・ドラムに狂人かのような笑い声が聴こえて来る。あぁここは1stから相変わらず〜っ!と、それが故の怪作ですが、最高です。

 

更に私本当に吃驚したのが、なんとこの曲Geniusに歌詞が掲載されてるんですね!もの好きがいるんですね。でもアノテーションゼロだよ!誰か!

genius.com

 

 

美しく踊るピアノの中でまさかの雷鳴サンプリングが轟く2曲目や、ビッグドラムとキーボードとフルートが元気に走り回るアゲソング(6曲目)も入っていたりします。

 

Cottonwood hillでもパトカーの音とかサンプリングされていたからというのもあるかもしれないんですけど、BRAINTICKETって聞くとなぜだか車とか汽車とか、その類の乗り物を思い出すんですね。

NEU!(ノイ!)のクラウス・ディンガーが生み出したハンマー・ビートを聞いてもなぜだが車を思い出す。そういえば、Kraftwerkクラフトワーク)の代表作でもある「Autobahn(アウトバーン)」は高速道路の意味。ドイツは車社会だからそこから影響されているのかもしれない、と一人ごちました。

 

ところでPsychonautは1万円くらいで国内で手に入れられると思います。

 

BRAINTICKET

アルバムの紹介ばかりでメンバーの紹介を全くしていませんでした。

ここまでありありとドイツの経脈で書いて来ましたが、実はBRAINTICKETは多国籍バンドです。

バンドリーダーはJoel Vandroogenbroeck(ジョエル・ファンドルゲンブルック)。

 

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彼はもともとベルギー出身のクラシックピアニストでした。そこからジャズに転向、まさかのクインシー・ジョーンズのオーケストラでも演奏したことがあるそうです。そこから何があって一体どうなってこうなっちゃったのかわかりませんが、Amon Duul やCAN、Tangerine Dreamから影響を受けまくってギタリストRon BryerとドラマーのWolfgang PaapBRAINTICKETを始めちゃうんですね。

 

こんな逸話もありました、1st Cottonwood Hillが出た時に反ケミカルドラッグ協会(?)の協議にかけられてしまったそうで、考え抜いた末に「脳味噌が破壊されるよ!!」っていう注釈をレコード会社がつけたらアメリカ始めとする諸外国で輸入を全く受け付けてくれなくなったと。可哀想。

 

1枚目はスイスのレーベルから出して、その後ドイツに活動拠点を移したみたいです。当時はドイツに住んでいたみたいですが、メンバーの出身地はイギリスやスイスやイタリアなど各国に渡り皆バラバラ。Cottonwood Hillの時のクレジットはこちら。

 

  • Ron Bryer - Guitar
  • Werner Frohlich - Bass, Bass guitar
  • Hellmuth Kolbe - Keyboards, Sound Effects
  • Cosimo Lampis - Drums
  • Dawn Muir - Vocals, Voices
  • Wolfgang Paap - Percussion, Tabla
  • Joel Vandroogenbroeck - Organ, Flute, Keyboards, Vocals

 

Dawn Muirが喘いでいる女性ですね。

 

 

その後、なんとイギリス人ギタリストであったRon Bryerが急逝しまったことにより拠点をイタリアに移したファンドルゲンは1stと2ndでメンバーを総入れ替えしてアルバムを作ります。

 

  • Jane Free - Lead Vocals, Tbilat, Tambourine, Slide Whistle, Sounds
  • Joel Vandroogenbroeck - Organ, Piano, Flute, Sitar, Sanze Vocal, Rumors, Generator, Arrangements
  • Rolf Hug - Lead Guitar, Acoustic Guitar, Tablas, Vocals
  • Martin Sacher: Electric Bass, Flute
  • Barney Palm - Drums, Percussion, Strange Sounds
  • Carol Muriel - Speaking on "Like a Place in the Sun" and oooh... oooh... on "Feel the Wind Blow"
  • Peter - Witch Doctor and Good Vibes.

 

ここで、彼はその後大きな影響を及ぼしあうCarol Murielというシンガーに出会います。

そこから、私が元々紹介しようと思っていた3枚目、「Celestial Ocean」に繋がるわけです。

 

 

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彼のダークアンビエント・ノイズソロ作品です。素晴らしいです。これは高いよ、これは1万5千円くらいでしょうか。

 

ちなみに、スイスのエレクトロバンドYelloの元メンバーであるCarlos PeronがまさかのBRAINTICKET Remixなんてのも出しているのでこちらも是非!軽快なリズムにスクリューされた女性の声でトンガリや目が丸感じはだいぶ軽減されていますが、映像がかなりチカチカしていてポリゴン現象系なので閲覧する際にはご注意ください。

(再生回数少なすぎ)

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それでは続きは次回とします!

最近すぐレコードの値段言っちゃうのやめたい・・

 

 

 

あとで気づきましたがいつもより誤植が多いですね、修正仕切れていないところもあるかと・・やっぱり破壊されてるかも脳味噌。

 

【LISTENING・EXPERIMETNAL】Organisation/Tone Float

何故かわかりませんが帰宅してから熱心にチーズケーキを作っています。

他にやらなきゃいけないこと死ぬほどあるのに。

チーズケーキって簡単で美味しいから普段からよく作るんですけどもっと美味しく作れる方法ないかなぁと思って、

プロが作る「ベイクドチーズケーキ」には意外な裏ワザがあった!レシピ本には載っていないテクニックが凄い - dressing(ドレッシング)

というページを見ながら作ってるんですけど、

●先生「難しいコツはいりませんよ。舌触りの良いなめらか食感に仕上げるポイントは、"材料を入れる順番"にあるんです」

というところで一番最初に入れる材料を間違えました。

  

今日はアラサー女子が夜にチーズケーキを作る時にオススメのクラウトロックを紹介します。

 

 

Tone Float

そもそもなんでチーズケーキを作ろうと思ったのか、未だにわかっていませんが多分なんか甘いものが食べたかったんだと思います。期末ということで仕事も立て込み若干疲弊気味(の割にはブログは書ける)(いやだからこそ書ける)、そういう時こそ料理なんですけれども、そういう時はガンガンノリノリで作りたくない。しかも平日の深夜。

何か優美なものが聴きたいと思っていた時、真っ先に浮かんだのがこのジャケット。

 

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美しい!!!

美!!

なんだこの盤かベタやな、と思った人は今すぐ友達になってください・・

 

色鉛筆のようなもので色塗られた髪の毛と髭の長い男性の横顔。初めてこのジャケットを見た時はライオンの擬人化だと思ったんですね。百獣の王感がすごい。あのライオンの擬人化のジャケットのレコードってなんやっけ?と言っても誰もわかってくれませんでしたねぇ。

ライオンじゃなければ人の中でも権力持ってるのにめちゃくちゃ器が広いタイプの人間。例えると普段は平和をこよなく愛するが自国の民が傷つけられたら容赦ない王様とかですかねぇ、とにかく圧倒的に優しい人。

 

 

 

これは、Organisation(オルガニザツィオーン、単にオーガナイゼイションとも)というバンドが1970年にリリースしたTone Floatというアルバムです。

とりあえずブログ読みながら聴いて欲しいので再生ボタンを押してください。表題曲「Tone float」はA面丸々一枚を使用した、20分越えの大作です。

 

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  1. Tone Float (20:46)

  2. Milk Rock (05:24)

  3. Silver Forest (03:19)

  4. Rhythm Salad (04:04)

  5. Noitasinagro (07:46)

  6. Vor Dem Blauen Bock (11:16) (1994年以降の再発盤のみ収録)

 

 

 

Discogsみて驚きました、オリジナル高い高いとは聴いておりましたけれども最高金額8万円とは!

今も高そう。流動的だと思うけど前3万円くらいで見た気がする。

 

 

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しかもオリジナルUK盤(ドイツで扱ってもらえなかったからイギリスから出した)のプレス枚数が非常に少なく再発もされていないと思うので、今出回っている裏面が白黒のものはリプロと思われます。でもブートでも5000円くらいするんだよなぁ、高いわぁ・・・

 

※12インチは再発されています。

 

 

このTone Floatという曲は、「スピリチュアルジャズファンも腰を抜かす密林ジャズ」とありますが↑、かなり攻めている実験音楽になっています。(確かにドン・チェリーっぽさあり)

基本は生音の要素が多く、特に「Tone Float」という曲では観光予定を詰めすぎた海外旅行みたいな感じで色々なところに行ったり来たりできる、覚醒酩酊20分間を体験することができます。

ジャケットと呼応するかのように縦横無尽に動く美しいエレクトロフルートからは非常にワールドなエッセンスを感じ取ることができます。(そしてまたなんとなく中東系の匂い)

 

一体こんなカッコいい生音バンド、誰がやってたんだろうと思いますよね、

それが、

実は、

Kraftwerkのメンバーなんです。

 

 

OrganisationはKraftwerkの前身バンドとして有名なバンドです。Kraftwerkのレコードって入手困難レコードいくつかあってファンは非常に頭を悩ませたりするんですけれどもその中の1枚に入るんじゃないでしょうか。

 

 

Organisation

 

Kraftwerkについて、名前しか知らないという方もいらっしゃると思うので、2011年のライブ動画を貼ります。

下記の動画を見ていただければ、なぜ ↑ で「実は〜これ〜Kraftwerkで〜..」みたいなもったいぶった書き方をしたのかお分りいただけるだろうかと存じます。

まだバリバリの現役で世界を飛び回っています。

 

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お分りいただけたでしょうか?Kraftwerkってめちゃめちゃ電子音楽なんですよ。めちゃめちゃピコピコするおじさんの集まり。

この体制でのライブや、彼らの音楽に影響を受けている日本人アーティストさんもたくさんいらっしゃいますよね。

しかし、1975年に作られた曲を2011年にやっていてこんだけカッコいいってどないなっとんのやと。

 

まぁそれはいいとして、こんな世界を代表するテクノユニット/電子音楽グループの前身バンドがOrganisationだったというところがすごく良いんです、すごくよい。

もともと音楽院で出会ったラルフとフローリアンはクラシックを専攻していたそうです。

そこで実験的な音楽を作ろうと意気投合して作り上げたのがこのテクノ感ゼロのロックスピリット溢れるアルバム。

驚きますよねぇ

 

 

このバンド、実は正式名称は長いみたいです。

 

ドイツ語:Organisation zur Verwirklichung gemeinsamer Musikkonzepte

英語:Organisation for the Realization of Common Music Concepts

日本語:共通の音楽概念を具現化するための組織

 

なんですって。

クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット(バンコク)みたい。

 

 いい名前ですね、日本語和訳。ただ、こんな複雑で難しすぎるアウトプットで具現化されても素人の私なんかは一生共通の音楽概念は見出せないなって思いますけれども。無邪気やな、微笑ましい。

 

メンバーはというと、当時まだ音楽院生でありのちにKraftwerkという電子音楽グループで世界中に名を轟かすことになる若きラルフ・ヒュッターくんとフローリアン・シュナイダーくん(2008年にKraftwerk脱退)を中心として集められた5人組だったようです。

 

  • ラルフ・ヒュッター (Ralf Hütter) - オルガン
  • フローリアン・シュナイダー・エスレーベン (Florian Schneider-Esleben) - 電気フルート、バイオリンなど
  • バージル・ハムモウディ (Basil Hammoudi) - パーカッション
  • ブッチュ・ハウフ (Butch Hauf) - ベース、サウンドチューブなど
  • フレート・メーニクス (Alfred "Fred" Mönicks) - ドラム、パーカッション

 

リズム隊多すぎやん?

特筆すべきは後にIblissという、とんでもクラウトジャズロックバンドを結成するバージル・ハムモウディが参加しているところでしょうか。Iblissのレコードも高いんだよなぁ...

 

 

Kraftwerkといえば、コーン(工事の時とかに置いてあるアレ)がアイコンなんですけど、Organisationの段階から裏ジャケにちゃんと載ってました。

 

 

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  ↑ここだよ!

 

 

ちなみに、この段階からクラウトロック界のラスボスプロデューサー、Cony Plank(コニー・プランク)が参加してます。むしろ、コニー・プランクのスタジオで録音されてます。スタジオって言っても廃業した精錬所跡地に作られた仮設スタジオだったみたいだけど。

 

 

 

ということで、精神統一のために料理を作りたいときには是非Tone Floatを聴いてください。

チーズケーキが焼けるか、ブログが完成するかどっちが早いかな〜と思ってましたけど、

圧倒的にチーズケーキの方が早かったです。

 

 

 

【DUB】CAN/Dizzy Dizzy

Holger Czukay Retrospecitve Box Set "Cinema" 

昨年の9月に多くの音楽ファンに惜しまれながら亡くなった、クラウトロック界最重要バンドCANの、中心人物であるベーシストHolger Czukay(ホルガー・シューカイ)。

アバンギャルドとポップの橋渡しと評され、今年の3/24には80歳の誕生日を迎える予定でした。

 

ホルガーのお誕生を記念して、

歌手であり俳優でもあるHerbert Grönemeyer(ヘルベルト・グレーネマイヤー)が運営するドイツのレーベルGroneland Record(https://www.groenland.com/en/)から、

Cinemaという5枚組のボックスセットが発売されることが年明けに発表されていました。

 

本来であれば、ホルガーへのお誕生日プレゼントとなったであろうこのボックスセットは奇しくも彼の"Retrospectiveなボックスセット"と、プレスリリースされることになってしまいました。

これについての詳細はコチラ↓ 

merurido.jp

 

シュトックハウゼンや、イーノとのコラボ曲や未発表曲はもちろん気になるんだけど、

それよりもっと気になるのは、ホルガーが初めて制作したビデオレコーディングだという「Vinyl Video」なるもの。なんだそれ、初めて聞いた。それについての説明は下記。

 

さらに、LPボックスには映像データをアナログ信号で記録した7”ヴァイナルビデオ盤も同梱。(ただし、プレイヤーとご家庭のテレビを接続して映像を再生する特殊な機器が必要となります。機器の詳細については現在のところまだ公表されていません。)

 

 

 

 

 

 

 

 

CAN

CANと私との出会いはなんだったでしょうか。

エンボス加工が美しい5枚目のアルバム「Future Days」のジャケットが目についたのか、

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脳みそが見えている人間の口から脳みそが出ているジャケットの3枚目のアルバム「Tago Mago」との出会いでしたでしょうか。

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何故だか明瞭に覚えていません。

 

CANの始まりは1968年に、

Holger Czukay(ホルガー・シューカイ)

Irmin Schmidt(イルミン・シュミット)

Jaki Libezeit(ヤキ・リーベツァイト)

Michael Karoli(ミヒャエル・カローリ)

David Jonson(デヴィッド・ジョンソン)

の5人でケルンでコンサートを行ったところからだそうです。

最初はInner spaceというバンド名だったそう。

 

そのあと、CANが解散するまでマネージャーを勤めたイルミンの奥さんの意見によって、突然Malcolm Mooney(マルコム・ムーニー)という黒人ボーカルが加入します。

フルートのデヴィッド・ジョンソンは音楽性の違いからすぐにCANを脱退し、残った5人で69年にロック史に名を刻む超重要モンスターアルバム、その名も「Monster Movie」を作り上げます。

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しかし、そのアルバム制作後、マルコムはアメリカに1人帰国してしまいます。

 

その後、CANにボーカルとして加入し後に世界ロック史に名を刻むようになったのが超有名日本人国際派ヒッピーのダモ鈴木

CANは当時メンバー内で交互に仮眠と食事ををとりながら24時間以上ライブするというスタイルだったらしいのですが(意味わからん)、ミュンヘンでライブをしていた際に休憩中次のボーカルをどうするかと相談しながらウロウロしていたホルガーとヤキが路上パフォーマンスで奇声を発していたダモ鈴木をたまたま見つけ、捕まえてライブハウスに引っ張っていき、そのままステージに上げて、その日にCANへの加入が決まった、というのは有名な話。

 

その後大ブレイクを果たし、映画やドラマのサントラに使われたり、ヒップホップにサンプリングされたりとジャンルのクロスオーバーもたげだけしいそんなCANなんですけれども、

名曲ありすぎますので王道紹介してもしょうがないかなぁと(今後するけど)、

ボックスセット5枚組全34曲にも収録されていないこの曲を紹介します。

 

Soon Over Babaluma/Dizzy Dizzy

私がBest Jacket of Krautrockと称えてやまないこの青と銀のジャケット。

Soon Over Babaluma

美しすぎる装丁。

一番上が近いんですかね、銀が伝わりづらいのが哀しい。

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A1 Dizzy Dizzy 

A2 Come Sta, La Luna 

A3 Splash 

B1 Chain Reaction 

B2 Quantum Physics 

 

なんか、このyoutubeスクリューされてておかしいな。

 

曲単位でyoutubeに上がっていますのでそちらをどうぞ。

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このアルバムはCANの7枚目のアルバムになります。

6枚目でダモ鈴木鈴木健二)がエホバの証人に入信してその強すぎる信仰心から色々起きてしまいバンドを脱退してしまったので、慌ててマルコム・ムーニーを呼び戻そうとアメリカからドイツ行きの航空券まで手配したのに振られ、仕方なくメンバーの中では最年少であり、唯一ストレートなロックのルーツをもつミヒャエル・カローリがボーカルを務めます。

 

しかし、それが功を奏しまくる。

 

※2曲目だけイルミン・シュミットがVo,を務めるがこれまた見た目通りの変態ボーカルなので是非聴いてほしい

 

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「Dizzy Dizzy」はレゲエ「Come Sta, La Luna」はタンゴ、「Splash」はラテンジャズの要素が取り入れられた曲で、「Chain Reaction」ではアフリカやキューバの音楽に影響を受けたパーカッションがフィーチャーされていて、全体的に超ダブだし、超エスノ。

 

Dizzy DizzyとSplashだけシングルカットされてますが、今日ピックアップしたいのはDizzy Dizzy。直訳すると「目眩、目眩」

 

完全に怪しすぎる不穏なイントロ。

この0:38あたりから始まる私が愛してやまない不安定なメロディはヴァイオリンによって演奏されている。

 

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お揃いの白いヘッドフォンが可愛い。

 

ホルガーの白いベースに白い手袋に合わせてるのだろうか。

若きミヒャエル君がヴァイオリン弾きながら歌っている。

冒頭の歌詞が「I don't smoke with an Angel」と聴こえる。

こういうペルシャ絨毯の上で演奏するスタイル最高にオシャレだと思う。

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ちなみに、このDizzy Dizzyに置いて絶対見た方が良いライブ映像が下記。

1977年のライブの様子。

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このライブアレンジめちゃくちゃカッコいいんですけど、特筆すべき点が何点かあります。

 

まずライブメンバーがいつもと違う。

ベーシストであるHolger Czukayがベースを弾いてませんね。

 

この動画でブリブリのベースを弾いている超イケてる黒人おじさんは、Rosko Gee(ロスコ・ジー)というジャマイカンベーシストです。彼はSteven Winwood(スティーヴン・ウィンウッド)が在籍していたことで有名なイギリスのバンドTraffic(トラフィック)でのサポートや、60年代〜70年代に活躍した京都出身日本人ながら世界のプログレに大貢献したStomu Yamashtaの作品へ参加したりしている人です。

 

(Stomu Yamashtaも何度もこのブログに出てくるクラウス・シュルツとバンドをやったりと相当ヤバ目な人なので、寄り道する余裕のある人は是非↓)

 

kakereco.com

 

そらもうジャマイカ出身だし本場だしブリブリなわけです

このfunkiest Live everなアレンジに関して一番貢献しているのはRosko Geeのベースかな。服装もマジカッコイイ

 

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それから、サムネになってるスピーカー群。

なんでこんな配置にしているのか、なんかレゲエでよくあるサウンドシステムっぽくないですか。

 

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Sound System beim Notting Hill Carnival in London (c) Brian David Stevens

 

まぁこれがサウンドシステム意識してるのかはわからないけど、サウンドシステムってレゲエでは非常に重要なもので、各サウンドクルーによって音響設備が全然違ってそのクルーの出す音をマックスにカッコよく聞かせる、とにかくこれがあれば更に強くなるみたいな増強剤的なものだと思ってるんですけど、

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なぜそのサウンドシステムの前にマイクを置く?

そのマイクで拾った音はどこから出してるん?

謎すぎるし発想がトビすぎてる。意図が知りたい。どなたか詳しい方教えてください・・

 

それから、3:20〜ホルガーが流すサンプリング曲の元ネタ。なんだっけーこれ、

あ〜脳みそがかゆい〜

思い出したら追記します。

ちなみにその右横に電話があったことには皆さまお気づきだろうか?

アートミュージックとかで見たりしますが、ホルガーはあの電話何に使ったんやろか。

 

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更に特筆すべきはこんなゴリゴリの状況下に置いて微動だにしないオーディエンス達。

 

あとボタン外しすぎなギターのミヒャエル君。

 

あとシンセ弾いてるイルミン・シュミットが着ているMA-1から放たれている、強いコスモ。

 

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一応、MVもある。映像素材多いな。

 

 

この曲マジかっこいいんだよなぁ。

 

【DANCE・MIDDLE EAST・MEDITATION】between/Contemplation

 

掲題ですが、

DANCEとMEDITATIONなんて全く真逆にあるものが

なんで同列やねんと

お思いかもしれませんが

自分の悪い癖で、LPを「聴く」というよりは「かける」方向で聴いている時が多くて、

そうなると、あとあとゆっくりアルバム通して聴いた時に

「エッ!?こんなええ曲入ってたっけ?!」

みたいなことになりがちなんですけれども、

このアルバムもそうでした。

 

このアルバム、1曲目の「Contemplation」(黙想・沈思の意味)は、

そのタイトルから反してフロア映えめちゃしますので私大好きなんですけれども、

周りからもいい加減突っ込まれ始めるくらい

かけまくっているんですけれども、

それ以外は基本MEDITATIONでした。

1曲目でアガってあとはストーンと落ちる感じですかね

 

 

 

 

youtu.be

 

《Tracklist》

00:00 Contemplation  ←DANCE!

04:26 Watch The Trees  ←MEDITATION!

09:24 Circle ←INDIA!

11:24 Ivory And Steel ←MEDITATION!

15:33 Orphicon  ←MEDITATION!

20:07 State Of Sound ←MEDITATION!

 

という感じでしょうか。

 

Peter Michael Hamel

Betweenはどストレートなクラウトロックの枠にはまっているわけではなく、

クラウトロックの系譜をワールド方向に辿ると行き着くバンドです。

 

この最適な温度の湯船の中で、

最高に気持ち良いマッサージを受けているかのような音楽を作るバンドの首謀者は

ミュンヘン出身のPeter Michael Hamel(ピーター・ミヒャエル・ハメル)という、

ジャーマンロックシーンのミニマリストです。

 

彼は世界初の図形譜の発案者と言われているMorton Feldman(モートン・フェルドマン)や、

スティーブ・ライヒフィリップ・グラスらと並ぶアメリカの偉大なミニマル・ミュージック作曲家である

Terry Riely(テリー・ライリー)とも繋がりがあったようで

ロックバンドのミュージシャンというよりは、

アカデミックなクラシック寄りの現代音楽作曲家です。

なぜそのような繋がりがあったかと言いますと、

彼もまた、ホルガー・シューカイらと同様に、

ドイツ現代音楽の父カールハインツ・シュトックハウゼンに学んでいたんですね。

ジョン・ケージからも学んでいたという話も!?)

 

ちなみにピーターさん、こんな御本も執筆なさっております。

www.amazon.de


タイトルを英訳すると、「Using music to reach the self」

「音楽で自分を見つける」ということでしょうか。

 

彼はソロ作品も数多残しておりますが、ほとんどが

ミニマルアンビエントスピリチュアルニューエイジです。

90年代後半からはドイツ・ハンブルグでご自身も教授となり、

教鞭を執っていらしたとか。

 

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©︎PROGARCHIVES

 

優しそうなおじいちゃんですね。

 

 

なんでこんな優しそうで素晴らしい経歴をお持ちの方が

Betweenを結成したか?

 

 

そう、彼は若い頃ヒッピーだったんです

 

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©︎PROGARCHIVES

 

最高

 

Between

はい、ここにめっちゃいい話あります

バンド名「Between」の由来は、ピーターさんがいつも

ポピュラーミュージックと、シリアスミュージック(長い伝統により洗練され複雑な構成を持つ音楽)の間をいく音楽を目指していたからだそうです。

両方の音楽を知っていて、どちらの側の人にも、どちらの音楽も聴いて欲しかった、

という思想がおありだったのでしょうか。

もしそうだとしたら、それってめちゃめちゃ共感します。

人は飛ばしすぎるとついていけないですし、見下してしまうと耳に入らなくなります。

 

 

ピーターさんはヒッピー時代に

中東〜インドの音楽に触れ、

betweenの源流となる

大陸的な中世、呪術性のある古謡志向の強い、

土着的前衛音楽を取り入れて言ったわけですねぇ

 

でも自分はアカデミックな音楽畑の人だからバンドを組んでも

周りのミュージシャンもアカデミックなわけです

だからあんまり荒っぽい感じや、

ローファイなクオリティはbetweenから感じることはできません。

スマートな魔術性とでもいいましょうか。洗練されてる

それがbetweenをいっているということなのかも。(?)

 

 

実はこのアルバムにはPOPOL VUHに6年間在籍していた

クラシックオーボエ奏者Robert Eliscu(ロバート・エリスク)が参加していたりするので、

POPOL VUH系列で紹介されたりもします。

 

 

上述した本の執筆やソロ作品での

ミニマルアンビエントスピリチュアルニューエイジは、

Betweenの活動後の話になります。

彼は心理学も学んでいたので、

もしかしたらヒーリング・ミュージックを目指していたのかもしれません。

 

やっぱりヨーロッパからだと中東インドとかって距離的に近いから行きやすいのかしら。

でも不思議なのは、中東〜インドに南下していったクラウトロックミュージシャンは

たくさんいるのに、

アフリカに南下していったバンドってあんまいないんだよなぁ。

 

 

この音楽を聴くたびに、

本来自分がいるべき場所に戻ってきた感じがしますわ。

適温のぬるま湯、最高〜

 

 

 

【DANCE・FUSION・BRAZILL】Guru Guru Sunband /Taoma

昨日、元同僚の結婚式があったのですけれども、

この歳になってくると、結婚式も、だんだんとね、

楽しくて参加できることだけでとても光栄なのですが、

なんかギミックが欲しくなってきてしまうんですけれども、

元々とても仲の良い子だったということもあるかと思いますが

クラスの中でも大人しい部類に入る子が沢山努力して

他の人には叶えられなかった夢を叶えて一生懸命仕事で駆け回っていたという、誰もが応援したくなるような

小動物みたいな、愛される可愛らしい子なんですけれども、

その子の結婚式があまりにも良すぎて、泣き所が多すぎて

家族からと旦那さんや友人たちからの愛情が深すぎて、

我々も彼女のことが大好きすぎて

本当にそれはもう、多幸感溢れる結婚式だったんです。

 

そのあまりにも幸せすぎた式の中、

脳内リフレインしまくっていたのはこの曲。

Guru Guru SunbandのTaoma。

 

youtu.be

 

 

 

はいっ、再生してみてください。

 

どうですか?この押し寄せてくる多幸感

誰にも嫌悪感を抱かせない幸せな音楽

天国か楽園のどっちかですね

 

 

GURU GURU 

GURUGURU(グル・グル)とは

クラウトロック界隈において超有名ドラマーである、

Mani Neumeierマニ・ノイマイヤー)を中心に1968年に結成されたグループ。

当初はGURU GURU GROOVEと名乗っていたらしい・・(ちょっとダサカワイイ)

 

元々はロックの人じゃなくて、インプロビゼーション・ジャズの世界の人だったので

GURU GURUにバンド名義を変更して、

1970年にデビューアルバム「UFO」をリリースした時、マニはすでに三十路。

別のフィールドで実績を積んだ後にロックに介入してきたところや、30前後にしてデビューを飾るあたりはCANのメンバーやPopol Vuhのフローリアン・フリッケにも似てますな。

初期メンには元Agitation Free(アジテーションフリー)のギタリスト、

Ax Genrich(アックス・ゲンリッヒ)も参加したりしていました。

ちなみに、グルグルとはドイツのカエルの鳴き声らしい。

 

デビュー当初は社会主義で超ポリティカルなライブをやっていたらしく、

Taomaからはまるで程遠い超ハードロックな盤を残している彼ら。

フリー・ジャズ、もといフリー・ロック的な。

当時のクラウトロックの人たちって、Velvet Undergroundとか、ジミヘンとか

超意識&リスペクト&ディスってたみたい。

それでストレートなロックというよりはひん曲がったロックというか

世間を斜めから見ているような感じの、ちょっと様子がおかしいロックを作っていて

それが自分的にドツボなんですけれども、

マニはコミカルにひん曲がったロック感をアウトプットしていくんですね〜

4枚目にリリースしているセルフタイトル「GURU GURU」

というアルバムは、電気カエルの聴覚化を測った作品だったりするそう。そもそも電気カエルってなに?

 

 
GURU GURU SUN BAND

 

からの、デビュー10年を迎える目前、1979年に

GURU GURU SUN BAND名義でリリースされた唯一の作品が「Heydu」という、

青が印象的なこのアルバム。

マニの陽気で奇天烈な感性溢れまくりで作られたこのアルバムには、

アフロディスコっぽい合唱したくなる歌モノ「Star way」が収録されていたり、

バンドの初期を彷彿させるような呪術系ハードロックアンビエントな「Atommolch」が収録されていたりします。

ジャケットに描かれている、異常にテンションが高い変態ピエロからこれがどういったアルバムなのか窺えますね。

 

 

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このピエロって実写だと思うんですけど、どうなんやろか。

裏面これだし。

 

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手にガソリン給油するやつ持ってんな笑

 

 

そんな中でも、ブラジリアンフュージョンの傑作と名高い曲が

「Taoma」なんですけれども、

この曲だけに関していうと、本当にGURU GURUの陽の部分しか出てない。

ジャズ感はかなり強めですが、インプロ感はゼロ。

メロも楽器構成も、その美しさを形取るために、

完璧に構成されている。

曲の出だしが、レコードの曲を途中から再生したみたいな始まりになってて

DJでかけるときに失敗した?!って毎回思っちゃうのもこの曲の特徴。笑

わかってくれる人はわかってくれる!

 

 

マニ・ノイマイヤーは渡り鳥かのように

ちょっとだけ暖かくなる3月に毎年来日していて、

昨年"来日20周年"を迎えていました。

日本語でグルグル=回転という意味を知った時、かなり喜んだらしい。

Wikiで見たら、旧メンバーが37人いましたね笑

今もライブで観れるアーティストだけど、そう思って油断すると

突然何かが起きてしまうのが、70年代を全盛期に活躍したクラウトロックアーティストたち。

だから、見れるときに観たい。私は最後に見たのは2年前に高円寺UFOで。

おもむろに袋を取り出してアルミの皿ガシャガシャーンって床にぶち撒けて

叩き狂ってたな笑

奥様は日本人なのかもしれません。

 

 

落ち込んだときにはTaomaを聴いて多幸感をゲットしよう!

 

 

【SPACE・PSYCHE】Timothy Leary & Ash Ra Tempel/Seven Up

 

 

存命のクラウトロックアーティストの中で

私が一番見たいアーティスト生きる伝説 Manuel Göttschingマニュエル・ゲッチング)(65歳)の話をする回がやってまいりました。

 

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©️FACT magazine

 

 

見た目、なんぼほどカッコエエおじさんやねんと。

でも自分的にはこの清潔感とダンディーさを兼ね備えた渋めでオシャレな雰囲気を醸し出すゲッチングさんよりも、

 

 

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センター分けロングで、いかにもキマっている感じでニヤつきながらロックの域を超えて、ハウスやアンビエントにも影響を与えた歴史に残る大作を残していた70年代の彼の写真の方がしっくりきます。

 

 

Ash Ra Tempel Manuel Göttsching

彼は10代の頃からギタリストとして音楽活動を開始し、18歳の時にクラウトロックを代表するバンドの一つとも言えるAsh Ra Tempelを西ドイツで結成しました。

バンド名の由来はズバリ戦の神"阿修羅"です。

後にTempelを取ってAshraに改名しますし。

 

Ash Ra Tempelの初期メンバーにも先日のブログに書いた、

POPOL VUHのFlorian Frickeが彼のムーグを譲ったという

Klaus Schulzeが参加しています。(しかもドラムで!)

 

このバンドの最大の特徴はサイケ感とミニマル感とスペーシー感。

スペーシーの代名詞みたいな音楽をやってます。

クラウトロックでスペーシーというと割とシンセサイザー系の電子音楽をイメージしがちですが、マニュエルさんの場合はそれをギターでやっちゃうんです。

でも超繊細で超ミニマルですよ。

その生っぽさ故に、後々ハウスやバレアリックの名盤と言われる「E2-E4」という作品を残すことにつながったのかなぁなんて勝手に思ってます。

 

 

Ashra - The Official Website

 

公式HPはこういう感じ。

ホルガーよりもずっとまとも笑

トップにはこんな記載もありました。マニュエル・ゲッチングの音楽が好きでピアノで演奏しちゃう女の子笑 ハードコアやな〜

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(from Ash Ra Tempel's Official web site.)

 

マニュエル・ゲッチングと友達でクリスマスパーティーに誘われた」という話も聞いたことがあってw、

意外と日本好きなんだな〜という印象。

 

 

Timothy Leary & Ash Ra Tempel/Seven Up

 

そんなAsh Ra Tempelのミニマルサイケスペーシーミュージックに、脱獄経験ありの元ハーバード大教授、ヒッピーと精神世界のヒーロー、Timothy Leary(ティモシー・リアリー)という何故か嫌いになりきれない変態LSDグル(伝道師)が参加したアルバムを紹介します。

 

 

youtu.be

 

 

Timothy Leary

これが彼のHP。

ひたすら生前のリアリーが"クリス"宛にサインを書いている動画がループされとりますな。

 

集団精神療法で評価されハーバード大に招かれた後、LSDなどの幻覚剤を使い人間の人格変容の研究を行い続けたことで大学を追われることになるリアリー氏。そんな教授やばすぎだろ・・

 

しかし、60年代のカウンター・カルチャーのヒーローだったことも事実。

あまりにも反アメリカ社会的言動・行動が目立ち、目をつけられ大麻所持で投獄されてしまったリアリー氏。

完全なレベルズ。

(投獄された時に受けた心理テストが自分で作ったものだった(リアリーはハーバード時代心理学者)から、脱走しなさそうな人柄に見られる回答をして、脱獄しやすい刑務所に入るよう仕向けたというエピソードもオモロイ!)

 

 

投獄された後も、真剣に意識階層や

人間の脳の計り知れないポテンシャルを 研究し続けていたそうで、

この辺から徐々にSFっぽくなってくるんだけど、

投獄中に書いた著書『神経政治学』では宇宙移民の構想を練っていたらしい。

Wikipediaの言葉を借りると↓

 

宇宙移民(SPACE MIGRATION)、知性増大(INTELLIGENCE INCREASE)、寿命延長(LIFE EXTENSION)の頭文字をとってSMI2LEのコンセプトがあった。

SMI2LEが起こるので、自分の好みにデザインした惑星である H.O.M.E.s(High Orbital Mini Earths 高軌道のミニ地球)に移住することを構想した。

また、1973年の7月から8月にかけて、銀河系内の高次生命体に接触するため4人チームでテレパシーを行い、19つの断片としてスターシードのメッセージを受信した。

 

 

 

 

 

晩年にはLSDから離れて上述した宇宙移民研究であったりとかコンピューターテクノロジーに生命体や、物理的に生きることの可能性を見出していたよう。サイバーバイオロジーとでもいうのでしょうか。。

 自分の癌が発見された時も、「死」をプロセスと捉えて自分が死ぬまでをデザインして、死後頭部を切断&冷凍保存して宇宙葬したらしい。(ほんまかな)

 

 

SF好きなので話が逸れてしまった・・・

 

 

宇宙研究とかの話まで行っちゃったので時系列的にはLSDグル・ティモシーリアリーに戻るんですけど、

このアルバムは、そんなぶっ飛んだ思想をお持ちのティモシー・リアリーを支援するために、ちょうど彼がスイス亡命中でご近所にいたのでレコーディングにお招きし、炭酸飲料Seven UpにLSDを詰めてレコーディング参加者全員がそれを飲みながら録音されたっていうのは有名な話なんですけれども、

そんな全員キマリきった環境の中で作ったアルバムなのにクオリィテめっちゃ高いんですね。なんなんでしょうか。

 

のっけから割とブルース感が強いロックの展開になっているのはゲッチングさんがAsh ra tempel結成前にブルースバンドを組んでいたからだと思われます。

 

クラウトロックには留まらない、サイケ名盤中の名盤だと思います。

超絶トリップミュージックの中にある卓越ミニマルギターが産むノイジーな音のさざ波、宗教とかそう行った方向の精神世界ではなくロックとノイズとインプロビゼーションで酩酊していく方向。

ちょっと不健康な初期ピンクフロイドって感じでしょうか?

 

あと、ジャケ。

一回見たら忘れないジャケ。

よく見ると人間の顔たくさん書いてあるし、アヒルとかいる、有機的ですな〜

 

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自分はこういうの好きで、素面でもその素晴らしさは十分伝わりますが、

正直にいうと、聴く人は選ぶ盤だと思いますし、全く意味がわからないって感想が出てきたとしても全く不思議ではないです。

これ聴いて体調悪くなる人がいないかも心配ではあります・・

 

あと残念なのは、リアリー氏の歌詞がところどころしか聞き取れないこと泣

 

注釈ですが、リアリー氏を嫌いになりきれないのは、ドラッグを肯定しているわけではなく、精神世界の研究やその活動や成果が面白いからですっ

 

 

オリジナルLPは東京のHMVで2万円くらいでした。

高い〜

けど欲しい〜(持ってない)

【WORLD・NEW AGE】POPOL VUH/Agape Agape

 

マーキームーン社刊から出ている「クラウトロック集成」という本が置いてあるレコード屋さんでまだ自分がこのジャンルに傾倒する前店長に、

「POPOL VUHなんて言葉、日常生活で全く使わないし、今読んどかないと今後二度とPOPOL VUHについて調べることもないだろうから、そのページ、読んどいたほうがいいよ!」

と言われてから、どっぷりハマってしまった。

好きな音楽に出会った瞬間、好きな人に会うときみたいにドキドキするんですけれども、今、一番聴いていてその感情を覚えるのはこのバンドの音楽かもしれないです、

前から好きだったんだけど、改めて!

 

 

Florian Frickeとは

ポポル・ヴーという不思議な響きのバンドは、

1970年に音楽家Florian Fricke(フローリアン・フリッケ)を中心に、Holger Truelzsch(ホルガー・トリュルシュ)と、 Frank Fiedler(フランク・フィードラー)で結成された、ドイツ南部はミュンヘンクラウトロックバンドです。

 

バンドは3人で始まったものの、このバンドにおいての音楽とは、リーダーであるFlorian Frickeの音楽です。

 

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©️BELLRECORDS

 

個人的にフローリアン・フリッケにおいて特筆すべきは2点!

ある種、クラウトロックの特徴とでも言えるモーグシンセサイザーを誰よりも早く取り入れたこと、それからドイツ映画監督Werber Herzog(ヴェルナー・ヘルツォーク)と親友であったことです!

 

モーグとフリッケ

下の写真はモーグシンセイサイザーとフローリアン・フリッケです。

めちゃめちゃカッコイイですよねぇぇ、

当時モーグなんて200万以上する代物だったはず、

それを若干27歳の若さで買ってPopol Vuhのファーストアルバムを作ったんですから、

その財力にも脱帽ですよねぇ

フリッケは富裕階級出身だったということもあると思いますが。。

 

しかも、彼、その超高価なモーグシンセサイザーで3枚アルバムを作った後に、すぐ人に譲っちゃうんです(この間、約2年)(あげたとも言われているし、売ったとも言われている)

しかも、その譲渡相手はTangerine Dreamのオリジナルメンバーで、モーグシンセイサイザーの巨匠と言っても過言ではなく、未だに若き音楽家たちにも影響を与え続けるKlaus Schulze(クラウス・シュルツ)なんですねぇぇ

 

めちゃめちゃロマンありますわ、この流れ・・

 

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©️bettina von waldthausen

 

ヘルツォーグとフリッケ

ドイツ映画監督のヴェルナー・ヘルツォーグと、フリッケは10代の頃からの友人で、

Popol Vuhというバンド名の由来は、2人がミュンヘン大学の図書館で見つけたマヤ文明教典「死者の書」からきているそうです。

一緒に読んだ本の名前を生涯のバンド名にしちゃうなんて本当に仲良しですよねぇ

 

ヘルツォーグは、

ヴィム・ヴェンダースライナー・ヴェルナー・ファスビンダーらと並ぶ、ドイツのヌーヴェルバーグ、ニュー・ジャーマン・シネマの代表的な監督だそうです。

自分の撮りたいものを撮るためにまさに命がけでアマゾンの奥地に入っていき、撮影スタッフの怪我、仲間割れ、殺す殺さないの脅しなどを経て撮影を敢行、様々な狂気的なエピソードを残している監督とのこと。

(実際に映画も割と常軌を逸している系の禍々しいストーリーのものが多い)

 

更にヘルツォーグは、音楽からの影響を大きく受けて映画を作っていたという特異的な監督だそうです。

そんな彼の頭の中に流れる神秘的で狂気じみた音楽を再現できるのは、フリッケだけだったのかもしれません。

 

自分的に、この手の音楽が映画やドラマのサントラに使われるなんて発想がまずなかったので、初めて知った時には非常に驚いたことが記憶にありますが、

(CANやTangerine Dreamもよく使われています。)

フリッケのように音楽以外のクリエイターとがっつり絡んで作品を残していったクラウトロックアーティストは珍しいんじゃないかな〜っと思ったりしていて、親友でありながら、仕事も共にする最高のパートナーがいるなんて、その関係性が羨ましくもあったりします。

 

Agape Agape

バンドの説明が長くなりましたが、今日紹介する盤の話をします。

(捨て曲がないのでアルバムで紹介します。)

 

散々、モーグの話を前談でしたから電子音楽のアルバム紹介かと思いきや全然違います。

 

1983年に発売された「Agape Agape」というタイトルのアルバム。

69年から活動しているPopol Vuhにとっては中期の作品になりますが、マジで素晴らしい。ぐうの音も出ない。とりあえず、今すぐ、Youtubeの再生ボタンを押して曲の世界に浸っていただきたい。

 

 

youtu.be

1. Hand In Hand

2. They Danced, They Laughed, As Of Old

3. Love, Life, Death

4. The Christ Is Near

5. Love - Love

6. Behold, The Drover Summonds

7. Agape - Agape ←DJで1曲目にかけたい。

8. Why Do I Still Sleep

 

名盤というのは曲のタイトルさえも素敵ですね。

「Why Do I Still Sleep/私はなぜ眠ったままなのか」なんてタイトル最高すぎませんか

一体誰の視点なんやと。この曲を聴いて心が安らがない人なんているのでしょうか。

 

 

Popol Vuhのバンドサウンドの最大の特徴は、宗教観。

フリッケが電子音楽をやめてアコースティックに回帰し、旧約聖書を題材にして作品を作り始めてから、色濃くその特徴が出ております。

誰よりも早くシンセを取り入れた男は、電子音楽を早々に手放し

ある人にとっての信じる道であり、ある人にとっての救いであり、時に争いを勃発させる宗教を、自分のサウンドに取り入れることに着手して行ったんですねぇ

ぶっ飛んでますよねぇ

 

そんなキャリアの中での中期の作品なんですが、ある種もう極みに来ている感じがあって大変なことになっているんですよ、

バンドキャリアの中期にしてもうほぼ集大成な感じな訳ですよ、宗教崇拝ミュージックというジャンル(?)において。

いや、作り始めの作品も、Popol Vuhで一番の名盤!と言われているほど素晴らしいんですけれども。

 

グレゴリオ聖歌のようなコーラス、辺境系パーカッション、祭事や儀式に欠かせない銅鑼や11年ぶりに参加したConny Veitの12弦ギターの存在感、、、

最高ですねぇ

宗教を感じるような音楽ってダブっぽさが強いものが多いと個人的に感じていたのですが、このアルバムはダブっぽさがまるでない、そうなると、ここまでスピった感じになるかと・・・

 

原始的・土俗的であり、呪術的。

だからこその古代宗教感。故の神秘的さ。

さることながら、非常に心地が良い。

さらに、郷愁感強め。

瞑想にもうってつけ。

私はこのアルバムはニューエイジだと思っている次第でございます。

 

 

ちなみにこのアルバムは去年再発が出てます。One way static recordsというレーベルですが、ホラー映画やカルト映画のサントラを

主にリイシューで出しているレーベルからです。

 

Love

フリッケは、2001年に脳卒中で他界しています。享年57歳。若いですね。

彼のインタビューに

”Popol Vuh is a Mass for the heart.  It is Music for Love.  Das ist alles (that is all)...”

という言葉があります。

 

愛のための音楽、なんだか彼自身がキリストだったんじゃないかと思ってしまいますね。結局、どの 宗教の先にあるのは愛なんですね。

 

 ちなみに「Agape」とはギリシャ語で「Love」の意味です。

どちらかというと無償の愛。

 

 

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大好きすぎて全然うまくまとめられませんでした。

ここに出てくる登場人物や書ききれていないレコードの紹介についてはまた後日。